アーティスト・オブ・スターダム選手権試合で白川未奈(32)が、ウナギ・サヤカ、中野たむと組み、鹿島沙希、ビー・プレストリー、刀羅ナツコ組に勝利し、第25代王者に輝いた。

開始5分間は白川1人がやられっぱなしだった。鹿島にチョークで苦しめられ、プレストリーの強烈な蹴りを受けるなど防戦一方。顎が外れるほどのダメージを受けたが「大丈夫。(ベルトのためなら)顎でも何でも差し出します。ブサイクになっても、整形するよりもベルトが欲しい」と力強かった。最後はウナギが鹿島に片エビ固めを決め、勝利すると、新天地での初ベルトに「新しいチャンピオンになりました」と涙を見せた。

白川はグラビアアイドルとして活動する傍ら、18年に30歳でプロレスデビュー。今年10月スターダムに移籍した。慣れない環境に「1からのスタート。求められていることも違ったし、気楽に過ごした日々はなかった」。夢中でトレーニングを重ね、ようやく1つ目のタイトルを手にした。「2カ月ちょっとで取れるとは想像していなかった。これを手放さず、どんどん取っていきたい」と腰に巻いたベルトを見ながら笑みを浮かべた。

最近はプロレスに集中するため、グラビアの仕事をセーブしてきた。女性のファンも増え、プロレスラーとしての立ち位置を考えるようになった。「私が頑張ることで同世代の女性が頑張りたいと思うようになってほしい」。もうすぐ33歳になるが、女性という立場で年齢について聞かれるのも納得がいかないという。「いつまでやるの? とか聞かれる。男子だったら年齢について言われない。結婚とか、子どもとか、自分でタイミングを決めたい。私がスターダムのベルトを巻いたら変わっていくかなと。若い子ではなく、自分が見せていかないといけない」と強い意志を持つ。

レスラーとなって2年たち、知名度も上がった。「余裕ができたので」と来年からはタレント活動も少しずつ増やしていくつもりだ。「女子プロレスを広めていきたい。私ってNGないんですよ(笑い)」。心も体も成長した「グラドルレスラー白川未奈」の21年が楽しみだ。【松熊洋介】