ジュニアヘビー級選手権試合は、第53代王者岩本煌史(30)が、阿部史典(26)に勝利し、4度目の防衛に成功した。

プロレスの基礎を学んだスポルティーバ時代の後輩にベルトを渡さなかった。終盤勝負に出た阿部の連続技を次々と返し、逆転。最後は必殺技の孤高の芸術をさく裂させて3カウントを奪った。わずか13分の戦いだったが、試合後は両者とも立ち上がれないほど疲労困憊(こんぱい)。岩本は寝たままの状態で手を差し伸べ「ありがとう。またやろう」と語りかけ、握手を交わした。「今まで何十回、何百回と戦ってきて、今日が最高だったし、まだまだ伸びると思う」と後輩をたたえた。

昨年7月の戴冠後、4度目の防衛戦。「毎回嫌だね」と話す。偉大な先輩たちが巻いてきたベルトに「下手な試合はできない。緊張感を持ってやらないと」とプレッシャーを感じるという。それでも若手を引っ張る立場として「みんなで歴史をつくり上げていくために、自分が先頭を切ってやっていきたい」と覚悟を見せた。

次期挑戦者には海外でも活躍するCIMAが名乗りを上げた。岩本は「世界のCIMAだし、光栄。いつでもいいですよ。俺の土台になってもらう」と受けて立つ。世界ジュニア王者として、ベルトの価値を上げるためにも負けるわけにはいかない。