プロレスリング・ノアのGHCヘビー級王者武藤敬司(58)が8日、都内での初防衛戦(14日、福岡国際センター)の調印式に出席した。前日7日横浜武道館大会では、挑戦者の清宮海斗(24)との前哨戦に勝利したが、途中で試したスペースローリングエルボーは不発。「引き出しを開こうと思ったら、さびてて使えなかったので、精神的に落ち込んでいる」と珍しく弱気な一面を見せた。

2月12日の初戴冠後は清宮のことを「安パイ」と呼んでいたが「半年前、1度戦って勝っているが、そんな中で名乗り出てきた。何かプラスアルファがあるから出てきたんだと思う。今の清宮は何でもスポンジのように吸収しているので、ジレンマや怒りを感じている」と警戒した。

数日前には腸炎になり、7日の試合も「本当にしんどかった」と明かしたが「先週で良かった。14日にベストに持っていく」と1週間でしっかり建て直す。

58歳で頂点に立ち、ノアを引っ張る男は、リング外での活動もしっかりこなす。

最近では放送中のTBS系のドラマ「俺の家の話」にも出演。共演したTOKIO長瀬智也の体つきを見て「才能を感じる」と評価し「プロレスやらない?」と誘ったという。

「イベントとかに出てもらおうと思ったけど、見事にフラれた」と残念がったが、行きつけのお店など共通の話題で盛り上がり「楽しい撮影だった」と明かした。

そんな刺激も受けながら、久しぶりの福岡での試合となる。思い出を聞かれた武藤は「天龍さんとIWGP(ヘビー級王座)をかけて戦ったし、猪木さんやホーガンともやって、それなりの作品は残している」と相性のいい地での勝利に意欲をみせた。【松熊洋介】