総合格闘技のRIZIN東京ドーム大会(6月13日)のバンタム級トーナメント1回戦で、朝倉海(28=トライフォース赤坂)と対戦する渡部修斗(32=ストライプル新百合ヶ丘)が30日、オンラインで取材に応じ、意気込みを語った。

この日は高校時代まで学んでいたレスリング中心の練習を公開。「もう1度やり直そうと、最近になって始めた。自分が活路を見いだすのは寝技だが、自分のMMA(総合格闘技)を意識しながら(寝技を)出していきたい」と力強く語った。対戦相手の朝倉に関しては「打撃がすごいと言われているが、寝技、組技に関しても一流」と警戒した。

聞かれたことには自分の言葉でしっかりと発言する渡部だが、試合に関しては「自信を持って臨んだことはない」という。高校時代から格下の相手と対戦する時ですら「どうしよう」と不安を吐露していた。周囲から「余裕でしょ」と背中を押されても、なかなか解消されなかったという。「これまで生きてきて、自信があったことはあまりない。優れている点は正直自分でもよく分からない」と控えめだ。さらに今回は人気と実力を兼ね備えた朝倉海との対戦。「アウェー的な感じかな。メンタル自体は落ち着いているが、ちょっとナイーブになっている」と明かした。

弱気な発言も多いが、もちろん、これまでの練習や、若いころから培ってきた寝技には自信を持っており「勝つための準備はできている」と秘めたる闘志は宿っている。RIZIN3戦目で訪れたビッグネームとの対戦。「柔道とかレスリングでは結果を残せなかったが、格闘技を一生懸命やってきて、大舞台でスターと戦えるようになった。(自分の試合で)くすぶっている人たちを元気づけられたらと思う」と力強く語った。東京ドームの大舞台で朝倉に勝利し、自信につなげたい。【松熊洋介】