総合格闘技RIZINの人気ファイター朝倉未来(みくる、29=トライフォース赤坂)とプロボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(45=米国)の対戦が、今年9月に国内開催のRIZINで実現する。日程や会場、ルール等は今月中に発表される見込み。

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RIZINでは18年大みそかのメイウェザーVS那須川戦をスタンディングバウトと呼んだ。ボクシングのスパーリング形式のエキシビション戦でもボクシングとは表記できない。国内のボクシング公式戦は日本ボクシングコミッション(JBC)管轄で行うというルールがあるからだ。JBCはボクシングの興行にレフェリー、ドクターらを派遣し、試合の公平性などを徹底する。JBCはボクシング以外の格闘技興行への協力を禁じている。

メイウェザーVS那須川戦を契機に海外でもボクサーと格闘家の対決などが増加。19年にはインターネットテレビ「ABEMA」の企画でボクシング元世界王者亀田興毅氏VS那須川戦が「ボクシング特別ルール」と称された。当時、JBCと日本プロボクシング協会は声明を発表。安全性軽視などの問題点を挙げ、国内のボクシング興行はJBCの管理・運営で開催され、公開スパーリングもJBCの許可が必要と強調した。

17年に引退したメイウェザーは公式戦に臨む気持ちは一切ないが、現状ではRIZINでボクシングの公式戦を組むことはできないという背景もある。【藤中栄二】