たった1撃でマットに沈めてみせた。大相撲の元貴ノ富士ことスダリオ剛(25=HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED)が、9カ月ぶりとなる復帰戦のリングで圧倒的な実力を示した。

総合4連勝中と勢いに乗る関根“シュレック”秀樹(48=ボンサイブルテリア)と、120キロ契約体重5分3回で対戦。開始早々の1回53秒、左フックのワンパンチでダウンを奪い、パウンドを落とそうとしたところで、レフェリーが慌ててストップ。TKO勝ちとなった。

今年の4月にはスダリオの弟、貴賢神(大相撲の元貴源治)からTKO勝利している相手に勝利。「(弟とは)今の段階ではレベルが違うので」と、余裕の表情で話していた通り、実力差をみせつけた。

昨年10月の横浜大会で現役米軍兵のSAINTに勝利も、11月の練習中に左ひざを負傷し手術を受けた。完治したのは数カ月前だが、不安はまったくなかった。「ケガをする前より強くなった」。体も顔つきも、前回大会より引き締まっていた。

動けないときにも休まずにウエートトレーニングを続け、完治の前には米国修行も敢行。テイクダウンディフェンスに自信をつけた。米総合格闘技ベラトールで活躍するティモシー・ジョンソンらと練習を重ねる中で、「1度もテイクダウンを取られなかった」。今回はグラウンドの展開になる前に仕留めたが、「総合的にレベルアップしてきた。世代交代する」と、どんな場面でも勝てる自信があった。

成長の裏側には、相撲時代から欠かさない研究があった。試合の映像を繰り返し視聴。相手だけではなく、自身の動きにも着目した。「練習と試合では、動きも無意識に変わっている。自分がシュレック選手になったと思って、どういう風に自分を攻めていくのかを考えました」。相手になったつもりで弱点を探し、克服に努めてきた。

今回大会を足がかりに、世界に羽ばたくつもりだ。試合後には、「シュレック選手とできたので次は外国人とお願いします」と海外勢との対戦を熱望した。

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