元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さん(本名・猪木寛至)が1日午前7時40分、心不全で死去したことが分かった。79歳だった。

新日本プロレス時代に対戦したライバルとなる「不沈艦」スタン・ハンセン氏(73)は米国で訃報を知り「ショックだよ。猪木さんは私のプロレス人生を変えてくれた大恩人だから感謝の気持ちでいっぱい」と沈痛な思いを吐露した。

75年の全日本プロレスで初来日したハンセン氏は77年に新日本プロレスに初参戦。同年秋には外国人のエース格に抜てきされ、同年9月に当時のNWFヘビー級王者だった猪木さんに初挑戦できたことが自身のプロレス人生の「転機」だった、と振り返る。ハンセン氏は「あの時、猪木さんにビッグチャンスをもらった。早い時期に、既に偉大なレスラーだった猪木さんに対戦させてもらえたことは忘れられない。当時、猪木さんが(若手だった私を)どのような考えで自分をピックアップされたのかは分からなかったが、それが私のプロレス人生を大きく変えてくれた」と回顧。最強外国人に成長する機会を与えてくれた猪木さんをしのんだ。

名勝負を繰り広げたレスラーとしての猪木さんの印象も鮮明で「猪木さんは常に新しい、フレッシュさを求めていた。自分も応えるように戦った。ど突き合いのファイトで精根尽きるような試合をした思い出しかない。タフで技のキレ味も鋭い完璧なレスラーだったと思う。日本で猪木さん、(ジャイアント)馬場さんという2人のレジェンドと戦えたのはレスラー人生最高の大きな宝だった」と口にした。

ウエスタン・ラリアットを必殺技に猪木さんとの名勝負を繰り広げ、日本で有名な外国人レスラーとなったハンセン氏。最近も全日本プロレス50周年記念興行で来日したばかりだった。同氏は「日本のみなさんも猪木さんの死去はつらいと思うが、これからの猪木さんの存在を決して忘れないでいてほしい」と日本のファンにメッセージを送っていた。(デーブ・レイブル通信員)