ボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が「泰然自若」で計量ハプニングを乗り越えた。13日、有明アリーナでWBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に臨む。12日には横浜市内で両者そろって前日計量。突然の体重計変更という相手陣営の「陽動作戦」で、自身初の計量ミスに見舞われたが、約5分後の2回目計量でクリア。統一王者らしく余裕の笑みを浮かべた。

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バトラー陣営の「陽動作戦」に対し、井上陣営の大橋会長はタジタジだった。天秤式の体重計の正確性を疑問視され、デジタル体重計による計量で合意したものの、直前の要望には困惑したという。またグローブ選択でもバトラーが日本ではなじみのないパキスタン製の「RDX」製を使用することになり、相手陣営の不気味な動きが多かった。大橋会長は「前哨戦は完敗ですね」と苦笑いを浮かべていた。