16年世界ユース選手権制覇を含むアマ13冠ボクサー堤駿斗(23=志成)がプロ2戦目を白星で飾った。前東洋太平洋スーパーバンタム級王者ペテ・アポリナル(27=フィリピン)とのフェザー級8回戦に臨み、3-0の判定勝利を収めた。6回には左フックでぐらつかせ、そのまま連打でダウンを奪取。KO勝ちこそ逃したが、堤は「とりあえず勝つことができてほっとしています」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

プロデビュー戦となった7月、当時の東洋太平洋フェザー級5位ジョン・ジェミノ(フィリピン)戦は判定勝ち。ランカーに勝利したことで、東洋太平洋同級5位にランクインを果たした。初陣はプロ仕様のグローブの薄さで自らのパンチ力に耐えきれずに両拳を痛めた。そのため素手でサンドバッグ打ちし、骨密度をアップさせてきた。

さらに同門の先輩となるWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(志成)とともに米ラスベガスで合宿。約1カ月間、17人の世界王者を輩出した「名伯楽」キューバ人トレーナー、イスマエル・サラス氏(65)のもとでトレーニングを積んできた。真価の問われる1戦で強敵となる前東洋太平洋王者を下し「次は圧倒した勝ち方ををしたい。23年はタイトル戦線に絡んでいきたい」と見据えていた。

◆堤駿斗(つつみ・はやと)1999年(平11)7月12日、千葉市出身。小学5年で空手からボクシングに転向。キックボクシングも並行して習い、ジムでは格闘家・那須川天心と一緒に練習。中学2年からボクシング一本に。U-15、アンダージュニアなどで全国制覇。習志野高時代はフライ級、バンタム級で高校6冠を達成。全日本選手権も制覇するなどアマ13冠。今年7月にプロデビュー。家族は両親と兄、弟。身長171センチの右ボクサーファイター。