挑戦者の同級1位石田匠(しょう、32=井岡)が、王者井上拓真(28=大橋)に判定0-3で敗れ、ベルトを逃した。2度目の世界挑戦に向けて「必ず世界王者になる。自信しかない」と宣言していたが、壁は分厚かった。

石田は17年10月28日に英国カーディフでWBA世界スーパーフライ級王者カリッド・ヤファイ(英国)に挑み、善戦も0-3判定負けした。「7年前はめちゃくちゃ弱かった。自分は成長した。今思えば別人。メンタルが強くなって自分に自信がある。何も怖くない。どんなボクシングしても負けない」と話していた。

実力は折り紙付きだ。21年12月に現4階級制覇王者の田中恒成(畑中)に敗れはしたが、判定1-2とわずかな差だった。難敵を相手にキャリアを積み上げてきた。「負けた経験も生きている。今回は今までにないぐらい、きつい練習で追い込んできた。(キャリアの)集大成として、ここで世界王者になる」。

挑戦者らしく、ガンガンに攻め抜くプランも固めていた。「自分からいく、倒しにいくことを意識してきた。自分からアグレッシブにいくしかない。インパクトを残して勝ちたい」。フィリピンのランカーを相手に115ラウンドのスパーリングを積み重ねる。あらゆる展開を想定し、倒しきるボクシングを磨いた。

会場の東京ドームも「リングに上がればドームだろうが、後楽園ホールだろうが同じ」。そう言い切れる鋼のメンタルを築き上げてきた。「世界王者になって活躍したい。関西を盛り上げたい。本気でそう思ってます」。4日にIBF世界同級王座を勝ち取った六島ジムの西田凌佑の激闘に大きな刺激を受けていたが、続く意気込みは空回りに終わった。

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