「氷の皇帝」と呼ばれた元PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル(46=ロシア)が引退マッチで米団体ベラトール王座に挑戦する。4日(日本時間5日)、ベラトール290大会(米カリフォルニア州イングルウッド)で同団体同級王者ライアン・ベイダー(39=米国)に挑む。3日(同4日)には同地で前日計量に臨み、ヒョードルは236・2ポンド(約107・13キロ)、ベイダーは234・4(約106・32キロ)でクリアした。

19年1月、ベラートル・ヘビー級GP1回戦以来となるベイダーとの再戦。前回は35秒KOで敗れている。ヒョードルは「前回(の対戦で)起こったことはすべて、すごく早く起こってしまった。確かに思い通りにならなかった。もちろん今も若くはない。でも、46歳になってもベイダーと戦えることがありがたい。この試合で現役を終わらせることができて、とても幸せだ」と闘志を燃やしている。

プロキャリアを始めた00年から09年までほぼ無敵だった。03年3月に初代PRIDEヘビー級王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)を下して王座獲得に成功。その後もPRIDEヘビー級GPでマーク・コールマンやケビン・ランデルマン(ともに米国)と歴代のUFC王者を下した。PRIDE消滅後には米国でストライクフォース、ベラトールなどに参戦。12年に1度引退したものの、15年に復帰し、RIZINにも参戦していた。

米最高峰の団体UFCには1度も参戦しなかったことについて「UFCがPRIDEを買収した際、その可能性はあった。けれど(UFC)デイナ・ホワイト社長は契約しなかった。それが理由だ。私は(キャリアの中で)多くのUFC王者と戦い、彼ら全員を倒した。そこで戦わなくてもあまり気にならなかった」と振り返った。

通算戦績40勝6敗。日本でも愛されたヒョードル。会場にはUFC史上初の2階級制覇王者ランディ・クートゥア、ホイス・グレイシー、元UFCライトヘビー級王者チャック・リデルら総合格闘技界のレジェンドが来場予定。引退の特別セレモニーに花を添える。