ヒクレオ(32)が前IWGP世界ヘビー級王者ジェイ・ホワイト(30)を日本から追放した。

負けた選手は日本から去らなければならないという「ルーザーリーブ・ジャパンマッチ」に勝利。プロレスラー人生を掛けた世紀の一戦で、かつてのリーダーから決別の大金星を挙げた。

203センチの長身と長い手足を生かし、エルボーとチョークで主導権を握る。試合中盤には反則技で形勢逆転される場面もあったが、最後は25分8秒、別れのトゥースイートポーズを決め、渾身(こんしん)のチョークスラムで3カウントを奪取した。

ホワイトとは人気ヒールユニット「バレット・クラブ(BC)」のメンバーとして行動をともにしてきたが、昨年にBCを追放された兄2人(タマ・トンガ、タンガ・ロア)に追随するように同ユニットを脱退。この行動に激怒したホワイトから「俺を裏切りやがった」と恨まれ、今回の追放マッチを仕掛けられていた。

実績では大きく水をあけられていた、かつてのリーダーを見事返り討ちにしたヒクレオ。父キング・ハクや兄たちが活躍した第2の故郷を去ることも免れた。だが、その顔に笑顔はなかかった。複雑な思いを隠さず、外道に肩を借りて退場するホワイトを見つめていた。