「ミライモンスター」を愛称に持つ日本フェザー級2位松本圭佑(23=大橋)が日本同級王座を獲得した。

同級1位の元王者佐川遼(29=三迫)と同ベルトを懸けて拳を交え、3-0の判定勝利を収めた。元日本同級王者の父好二トレーナー(53)に続き、4組目の親子日本王者、史上初となる同階級での2代王者となった。スピードと技術でほんろうし、前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29)ら同門の猛ゲキも胸に元王者を撃破した。

 

全てKOだった過去7戦では味わったことのない未知のラウンドを戦い抜き、松本は安堵(あんど)の表情で日本ベルトを巻いた。所属ジムのチーフトレーナーで父好二氏が第41、43、45代王者となった日本フェザー級のベルト。第67代王者として手にした松本は「ホッとしたのでプレッシャーがあったのだろうと思います」と欲しかったベルトをみつめた。

大学の先輩で元王者の佐川に詰め寄られた。序盤で左ジャブと右ストレート、連打で主導権を握ったが、接近戦に持ち込まれて5回に1度、スタミナ切れしそうになった。セコンドの父、リングサイドにいた所属ジムの大橋秀行会長、何度もスパーリングで手を合わせてもらった同門の井上尚弥の激励が耳に入った。「父、会長、尚弥さんの声で救われました」。再びステップを使いながら左ジャブ、連打で組み立て最後まで佐川を圧倒してみせた。

過去、日本王座では3組の親子王者が誕生しているが、同じ階級の親子王者はいなかった。フェザー級が適正体重と強調するのは東洋太平洋王座を奪い、世界王座挑戦している父を将来的に「超える」意味も込めている。「肩書は並んだが、まだまだです」と父の偉大さを痛感した。

フジテレビ系で放送されるドキュメンタリー番組「ミライ☆モンスター」で幼少時代から登場し、愛称は「ミライモンスター」だ。好二氏は「人生で一番の緊張でした。良くやったと思う」とねぎらった。松本は「僕は今日の試合で苦しかったので練習不足。もっと練習して世界を狙っていけるようにしたい」とキッパリ。日本タイトルを獲得し、目指すはアジア、そして世界-。松本が本物の「怪物」へと歩みを進める。【藤中栄二】