元WBC女子世界フライ級王者で、男性となって初めて実戦のリングに上がった真道ゴー(本名・橋本浩、36=グリーンツダ)が、2勝2敗1分けの戦績だった石橋克之(35=姫路木下)に判定0-3で敗れた。

準公式試合とはいえ、真道にとって16年6月13日以来2736日ぶりの実戦だった。登場曲に乗ってリングに登場し、格闘家の角田信朗から激励の花束を贈られた。1ラウンドから鋭いジャブを繰り出し、右フックを浴びせた。スピードでは上回る展開。2ラウンドには石橋が偶然のバッティングで右目上をカットして流血した。足を止めて打ち合いも演じた。

最終3ラウンドも自ら積極的に仕掛けた。1分過ぎに左フックでダウンを食らった。残り10秒、激しく打ち合って終了のゴング。真道は両手のグローブをたたき、笑顔を浮かべた。満足の敗戦だった。試合後のインタビューでも「感謝」を詰め込んだ。

「楽しくやらせてもらった。(打ち合いは)ついつい燃えちゃうタイプなんで。最終ラウンドのダウンが自分の実力。この試合を組んでくれたたくさんの人に感謝しかない。石橋選手には私との試合に何もメリットがない中で受けてくれた。本当にありがとうございます」

性同一性障害に悩んできた真道は17年10月に引退。性別適合手術を受けて、戸籍も男性に変えた上で、ボクシングへの情熱を失わず21年5月に本石昌也会長に男性としての復帰を直訴した。男性としてのリング復帰に尽力してきた同会長は「ようやくここにたどり着けた。ひとつの達成感があります」と表現していた。

JBCは医師や専門家による諮問委員会を設置して検討してきたが、今年7月にプロテスト受験は認めない結論を下した。一方で公式戦に準ずる試合なら容認する含みも示してきた。

少なくとも日本で過去に例がない、元女性の挑戦。日本ボクシング界の歴史にしっかり、爪痕を残した。