5月6日に東京ドームでプロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31=大橋)に挑戦するWBC世界同級1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)が28日、WBC規定の事前計量をクリアした。ネリと契約を結ぶVIVAプロモーションの公式X(旧ツイッター)でWBC独自ルールの試合7日前計量の映像が公開され、124・7ポンド(約56・56キロ)を計測。WBCでは7日前にリミット(55・3キロ)より3%以内(56・95キロ)を上限に定めており、クリアしたことになる。リミットまで残り約1・26キロまで迫っている。

WBCでは体重超過による試合中止や急激な減量による選手の体調不良を未然に防ぐため、体重管理を強化。試合の30日前にリミットの10%、14日前に5%、7日前に3%以内を上限に定めている。これまで井上、ネリとも順調に事前計量をパスしていることが報告されている。

ネリは18年3月にWBC世界バンタム級王者として山中慎介の挑戦を受ける際、計量での大幅な体重超過によって王座を剥奪された。1回目でリミット(53・5キロ)を2・3キロ、約2時間後の再計量も1・3キロ超過。試合は2回TKO勝ちしたが、王座は空位になった。17年8月の山中との初対決後にドーピング違反が発覚したこともあり、日本ボクシングコミッション(JBC)から当時の「永久追放」となる無期限の国内活動停止処分を受けていた。昨年のJBC規定改定で、処分開始日から無期限は3年を経過すれば再申請が可能に。井上戦の交渉終盤となった今年2月にネリ本人と陣営、指名挑戦者に選定したWBCから資格回復の申請があり、同26日に処分が解除されていた。

WBCはネリを井上の指名挑戦者として認定するにあたり、JBCとともに再発防止をはかると合意。事前計量(30日前、15日前、7日前)の厳格運用、VADA(ボランティア反ドーピング機構)による抜き打ちの薬物検査も実施した。