ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が約4年ぶりの「聖地」再上陸を狙う。3日、東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(37=アイルランド)との防衛戦を控え、8月31日に横浜市で会見。25年に米ラスベガスの2万人収容アリーナで試合に臨むプランが浮上した。またWBO世界バンタム級タイトル戦に臨む王者武居由樹(28=大橋)と同級1位比嘉大吾(29=志成)やWBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦を控える6位平岡アンディ(28=大橋)らも出席した。
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気を引き締めた井上が強い警戒感を示した。ブックメーカー(賭け屋)の英大手ウィリアムヒルのオッズは、井上勝利に1・02倍、ドヘニー勝利に15倍と、井上の圧倒的有利。そんな“楽勝ムード”を払拭(ふっしょく)する口調だった。
「スーパーバンタム級で戦う中で避けられない一戦。ドヘニー選手の実力を軽く見ていない。みなさんが言うほど、簡単な試合になるとは思っていない」
昨年10月、井上の練習パートナーのジャフェスリー・ラミド(米国)をKO撃破したドヘニーは試合当日、リミット(55・3キロ以下)から67・5キロまで増量。本人いわく体質という収縮自在の肉体を持つ。左強打に加え、フィジカル、パワーも武器とする。計量2日前にドヘニーと対面した井上は「体は見るからにでかいし、当日は僕以上にリカバリーしてくると思う。そんな相手だからこそ、自分はKOしたいなと思う」と貪欲な姿勢を示した。
世界が強さを認める井上と契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEO(92)も会見に同席した。来年には米ラスベガスで井上の試合を組むとし「(MLBドジャース)大谷翔平選手に多くの日本人が観戦に来る。井上選手の試合をラスベガスで行えば、日本人も来てくれる」と強調。新たな「聖地」と言われる2万人収容のT-モバイルアリーナ開催を候補に挙げた。
過去2度、井上は米ラスベガスで防衛戦に臨み、KO勝利した。コロナ禍で20年10月は無観客、21年6月は入場制限での開催だった。実現すれば約4年ぶり。初めて2万人という本場ファンの前で試合することになる。所属ジムの大橋秀行会長(59)も「前人未到のことをやっていくのが、井上尚弥の役目」と前向き。6戦連続となる世界王者経験者のKO撃破で、井上は聖地再上陸のステップを踏む。【藤中栄二】
〇…元IBF王者ドヘニーは王座奪回に燃えた。37歳とはいえ、日本リングで3戦連続KO勝利中。19年4月、当時のWBA同級王者ローマン(米国)との統一戦に敗れてIBF王座から陥落して以来、約5年5カ月ぶりの王座返り咲きのチャンスとなる。オーストラリアに住む夫人や子供も来日。「歴史をつくるため、あのベルトを取り返すつもりで来た。ここまで頑張ることができたのは、ベルトを取り戻すためだ」と言葉に力を込めた。

