空手出身の高校生ボクサー出畑力太郎(18=マナベ)が東日本新人王ライト級を制し、大会MVPを獲得した。決勝では劉家瑋(35=渡嘉敷)と対戦し、1回に右フックでダウンを先制。4回3分0秒、右ストレートからの連打を浴びせレフェリーストップによるTKO勝ちを収めた。出畑は「練習していたものが出せた。(倒した)パンチの手応えは感じてなくて。まさか(TKOで)終わるとは思っていなかった。KOは狙わないようにしていたので」と振り返った。
17歳も年上の劉は勝利がすべてKOという強打を誇る。出畑は「思ったよりもガンガンこなかったので自分から仕掛けようと思った」と手数多く攻め、主導権を握った。劉の連打もうまく回避し「自分からいかないとポイント取れないのでいきました」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。大会最優秀選手に選ばれたが「全然、MVPになるとは思ってなかった。周りに良い選手がいたので」と照れ笑いをも浮かべた。
正道会館の師範を務める父力也氏のもとで6歳から空手を始めたが、家にあった人気アニメ「あしたのジョー」のDVDをみてボクシングにあこがれた。現役時代、大会制覇の実績を持つ父の指導で空手を学びつつ、高校1年からボクシングに転向。通信制の高校3年で、卒業後にはプロボクサーに絞って活動する。出畑は「1戦ずつ勝っていきたい。まずは全日本新人王を取りにいく。目標は大きく世界で」と見据えた。
応援に駆けつけた父力也さんは「最初は漫画家になりたいと言っていたので安心していたらあしたのジョーをみてボクサーと言い出した。自分が格闘技の厳しさを知っているから勧めなかったが、本人が勝手にはまっていった。安心できるのは次の全日本新人王が終わってから」と後押し。所属ジムの真部豊会長(57)は「出畑らしい試合できた。冷静なところ、言ったことを必ず実行できる選手。練習も集中しているし、何も言わなくても勝手にトレーニングする」と大きな期待を寄せていた。【藤中栄二】

