WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(34=帝拳)が、3階級制覇王者で現WBC・WBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(31=メキシコ)からの挑戦予告に受けて立った。10年度ボクシング年間表彰式は26日に都内で行われ、最優秀選手賞(MVP)に初選出された西岡が出席。昨年4月の長谷川穂積戦で年間最高試合に選ばれたモンティエルからビデオを通じて対戦希望メッセージを伝えられ「すぐにでもやりたい」との意向を示した。年内中に実現する可能性が出てきた。

 サプライズで用意されたモンティエルのビデオメッセージを耳にした西岡は目を輝かせた。会場スクリーンに登場した3階級制覇王者から「バンタム級からスーパーバンタム級に上げたら西岡選手とやりたい」とのコメントを聞き、10年度MVPボクサーが燃えないはずはなかった。「いつきてもらっても結構。ぜひ実現したいです」と、最後は表情を引き締めた。

 昨年4月に長谷川穂積のV11を阻止したモンティエルとは昨年10月以降から対戦する計画が浮上していた。西岡は3月下旬から4月下旬に6度目の防衛戦を予定。一方のモンティエルは来月19日、米国のリングで24連勝中のノニト・ドネア(フィリピン)とのビッグマッチを控える。

 2人が次戦で防衛に成功すれば、今秋に対戦のタイミングが出てきそうだ。帝拳プロモーションの浜田代表も「モンティエルが2月に防衛に成功すれば、実現は十分に可能」との見通しを示した。

 初のMVP受賞を受け、俳優の片岡鶴太郎と元WBA世界スーパーフライ級王者鬼塚勝也氏から直筆の絵画を直接、贈られた。モンティエルのメッセージに加え、喜びのサプライズが続いた西岡だったが、浮かれるそぶりはない。「ワクワクする、ファンの見たい試合を素晴らしい内容で勝つ。さらに強い『西岡利晃』を見せたい」。モンティエル戦、IBF王者モリター(カナダ)との統一戦など、今年の西岡は夢カードでボクシング界をけん引する覚悟だ。【藤中栄二】

 各表彰は次のとおり。

 <プロ男子の部>

 ▽最優秀選手賞

 WBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃(帝拳)

 ▽技能賞

 WBC世界フェザー級王者・長谷川穂積(真正)

 ▽殊勲賞

 WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(ワタナベ)

 ▽敢闘賞

 WBC世界スーパーフェザー級王者・粟生隆寛(帝拳)、WBA世界バンタム級王者・亀田興毅(亀田)

 ▽努力賞

 WBA世界スーパーバンタム級王者・李冽理(横浜光)

 ▽KO賞

 WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(ワタナベ)

 ▽新鋭賞

 日本スーパーライト級王者・亀海喜寛(帝拳)、OPBF東洋太平洋ライトフライ級王者・宮崎亮(井岡)

 ▽年間最高試合賞

 WBC世界バンタム級タイトルマッチ(10年4月30日、東京・日本武道館、帝拳プロモーション)長谷川穂積(真正)-フェルナンド・モンティエル(メキシコ)

 <女子の部>

 ▽最優秀選手賞

 WBC女子世界ライトフライ級王者・富樫直美(ワタナベ)

 ▽年間最高試合賞

 WBC女子世界ライトフライ級タイトルマッチ(10年10月2日、メキシコ・グアダラハラ)富樫直美(ワタナベ)-イルマ・サンチェス(メキシコ)

 <特別賞>

 元WBC女子世界ミニフライ級王者(※JBC未公認時)菊地奈々子

 <アマの部>

 ▽最優秀選手賞

 須佐勝明(自衛隊体育学校)

 ▽優秀選手賞

 新本亜也(クリエイティブジャパン)

 ▽技能賞

 清水聡(自衛隊体育学校)

 ▽敢闘賞

 林田太郎(駒大)

 ▽努力賞

 山田崇人(東京農大)

 ▽新鋭賞

 藤田健児(倉敷高)