地道なリハビリと稽古ではい上がってきた苦労人は「しっかり前向きに頑張ってきてよかった」と感慨深げ。17本の懸賞金(手取り51万円)の使い道を聞かれると「このあと治療の予約があるので。それから考えます」と笑顔を見せた。今日3日目は、まだ金星配給のない横綱稀勢の里戦。この勢いで2日連続金星をもぎ取る。【佐々木隆史】

 ◆千代の国憲輝(ちよのくに・としき)本名沢田憲輝。1990年(平2)7月10日、三重県伊賀市生まれ。柔道で東海大会個人3位などの実績を残した名張北中を卒業した06年に九重部屋に入門し、夏場所初土俵。11年名古屋場所で新十両、12年初場所で新入幕。15年春場所には三段目まで陥落。16年名古屋場所で再入幕。約7年間交際した元会社員の愛夫人と4月に結婚。182センチ、140キロ。通算339勝242敗93休。

 ◆復帰金星 明治以降、幕内から三段目に陥落し再入幕を果たしたのは騏乃嵐(前頭2枚目→三段目25枚目→前頭8枚目)、土佐豊(前頭筆頭→三段目84枚目→前頭16枚目)、千代の国(前頭8枚目→三段目28枚目→前頭筆頭)の3人。騏乃嵐の金星1は陥落前で、土佐豊は金星がなく、千代の国は再入幕後初の金星獲得となった。