序ノ口は、横綱白鵬(32=宮城野)の内弟子として3月の春場所で初土俵を踏んだ東9枚目の炎鵬(えんほう、22=宮城野)が7戦全勝で優勝を決めた。

 6番相撲を終え、序ノ口でただ1人、全勝で迎えたこの日、序二段の隆の成(17=千賀ノ浦)と対戦。立ってからすぐにもぐり「目の前に足があったので、いつも通りに」と相手の右足を取って寄り立てた。向正面にそのまま相手を出したと思われたが、その際に自分の足が先に出ているようにも見えた。軍配は上がったが、勇み足があったかの確認の協議が行われたが、足は出ていなかったという判定。足取りで優勝を決めた。

 出身高校の金沢学院東では平幕遠藤(追手風)の後輩にあたり、金沢学院大では世界選手権軽量級で2連覇を達成するなど「9つぐらい」のタイトルを獲得。「体がない分、体の内側から燃やして気持ちで相撲を取りなさい」と横綱直々に、しこ名を命名してくれた。

 実績から、優勝も当然の結果だろうが「アマ時代は1日何番も取れたけど、プロは1日1番。ベスト(の状態)に持って行くのに神経を使い、思ったよりしんどかったです」とホッと胸をなで下ろした。現状では、部屋の兄弟子にあたる同じ小兵の幕内石浦を目標の力士に挙げ「今は柔軟性が自分には足りないから出来ないけど、まねしたいところはたくさんある」と幕内宇良も目標に据える。白鵬から「ひねり王子」とも呼ばれる169センチ、95キロの業師が、しこ名が初めて番付に載ったデビュー場所で上々のスタートを切った。