大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が引退を決意したことが28日、分かった。

 すでに師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)との話し合いを終え、懇意にしてきた後援者に引退する報告を始めた。

 早ければ29日にも福岡県内で記者会見を開く。

 平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴行が発覚してから約2週間。鳥取県警や日本相撲協会の危機管理委員会による調査は継続中だが、本人は暴行したことは認めている。その責任をとる形で、事態が解明されるより先に身を引く覚悟を固めた。

 日馬富士は16歳で来日し、伊勢ケ浜部屋へ入門。2012年秋場所後に70代横綱に昇進した。幕内では軽量となる130キロ台の体重ながら、突き刺すような立ち合いとスピードを生かして、9回の優勝を果たした。ファンも多かったが、1度の暴行により晩節を汚した。不本意な形で、角界を去ることになる。

 ◆日馬富士公平(はるまふじ・こうへい)。本名ダワーニャム・ビャンバドルジ。1984年4月14日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。入門当初からのしこ名は安馬(あま)。大関昇進を機に日馬富士に改名した。01年初場所初土俵。04年春場所で新十両、同年九州場所で新入幕。三賞は、殊勲賞4、技能賞5、敢闘賞1。金星1個。優勝9回。家族はバトトール夫人と2女1男。186センチ、137キロ。