西序二段67枚目の朝阪神(17=高砂)は、朝塩本からの改名初戦を白星で飾ることができなかった。

 左四つに組むと、有利な体勢のまま土俵際まで押し込んだが、最後の最後に“逆転サヨナラ負け”を喫した。「先場所も首投げで負けた相手なので組みたくなかった。最後にバタバタしてしまった。初日は負けてしまったけど、まだ、あと6番あるので頑張ります」と、切り替えていた。

 大阪・泉大津市出身。両親の影響で幼少からプロ野球阪神の大ファンだったため、年に1度、大阪で本場所が開催される春場所に合わせて、名前も本名の「直輝」から「虎吉(とらきち)」に改名した。取組前には「ハンシン」といった声援が多く呼ばれる中、「巨人」という声援もあった。「全部聞こえていました。『巨人』という声援も。それが全部『阪神』になるようにしていきたい」と、改名初戦ながら、しこ名の浸透度は感じ取っていた。

 改名後、特に大ファンだった阪神金本監督から、報道を通じてエールを送られた。「あんなに話題になるとは思わなかった。ビックリしました。気を引き締めないといけないと、いい意味で緊張感が出てきた」と話し、人気球団に敬意を表していた。