初場所で左ふくらはぎを痛め、番付を西幕下35枚目まで落とした関脇経験者の豊ノ島(34=時津風)が、今場所2番相撲の土俵に上がり、今場所初勝利を挙げた。

 東幕下37枚目の朝興貴(27=高砂)と対戦。もろ手突きで来る相手に、立ち合いから鋭い踏み込みで左をスパッと差し、右もおっつけ気味に前進。相手に相撲を取らせる間もなく寄り切った。

 「今日は開き直って思い切って立ち合い、踏み込んでいきました」と会心の一番を振り返った。「関取衆のころからメンタルは弱かった」と自己分析する。だから初日も「緊張で、どうしても気持ちが乗りきれなかった」と反省。それを踏まえての「開き直り」だった。

 痛めた左ふくらはぎは「全然、大丈夫」という。返すがえすも悔やまれる、初場所のケガ。あれさえなく、ギリギリ勝ち越しの4勝でも関取復帰があった。それを悔いても仕方ない。「運も実力のうち。勝ち越せなかったんだから」と出直しを自分に言い聞かせる。「相撲人生も、あと10年やるわけではない。目いっぱい、しっかり気持ちを強くもってやりますよ」と笑みを浮かべながら場所を後にした。