大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が単独トップに立った。稽古場でも手合わせしたことがない西前頭3枚目豊山の突きに後退、土俵際まで押し込まれ、最後は左手で相手の頭を引き込むようにして、間一髪の突き落としを決めた。

 初優勝した初場所以来、自己最長タイの6連勝としたが、内容はヒヤヒヤ。「立ち合いで当たった瞬間、ビッと来た」と、春場所で痛めた右肩に一瞬痛みが走ったという。支度部屋で一息ついて「もう大丈夫。でも、勝って良かった。負けてたら、最悪だったよ」と安堵(あんど)の表情だった。

 取材を受けている途中、阿炎が白鵬を破り、勝ちっ放しが自分だけになった。テレビ画面でその一番を見て「すごいな。うれしいだろうな」と話したが、全勝については苦笑いでノーコメント。平常心を保とうとしているようだった。