新大関栃ノ心(30=春日野)が5連勝で序盤戦を終えた。大関経験者の琴奨菊に頭をつけられ、左上手がとれなかった。それでも、右下手で3度投げを打ち、相手の体勢を崩すと最後は左上手でまわしをつかみ、危なげなく寄り切った。

 先場所に痛めた右手首にテーピングをして臨んでいるが、患部に不安を感じさせない。「まわしをつかんでる時は、全然痛くないよ」。序盤5戦で得意の右四つから勝負を決めたのは、初日だけだ。「それでも、勝ってるからね」。慌てず騒がずの相撲には、大関の風格が漂う。

 前日の4日目は自分、碧山、栃煌山と部屋の関取3人とも勝ち、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)とともに後援者から夕食の招待を受け、焼き肉をほおばった。この日も3人そろって白星。「2日連続なんて、珍しいんじゃない? 焼き肉、まだまだ食べれるよ」。2日連続の“お呼ばれ”へ、ご機嫌で場所を後にした。