大相撲夏巡業を初日から休場している大関貴景勝(22=千賀ノ浦)について、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が「申し訳ないけど、今のところ巡業は全然考えていない」と、全休を視野に入れていることを明かした。

31日、台東区で部屋の稽古が始まったが、稽古場に貴景勝の姿はなく、夏巡業に参加していない幕下以下の力士が基礎運動で体を動かした。

稽古後、取材に応じた千賀ノ浦親方は貴景勝について「(右膝は)日に日には良くなっている」と説明。名古屋場所前の6月同様、専門のトレーナーと治療、リハビリに励んでいるという。右膝に不安を抱える貴景勝は、かど番の名古屋場所を休場して関脇陥落が決定。秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)では大関返り咲きへ10勝以上を目指す。

この日、師匠は「自分が思っている以上に長引いたんじゃないか、私が思うに」と見解を述べた。千賀ノ浦部屋は8月6日から5日間、千葉・印旛郡栄町で合宿を行うが、貴景勝が帯同する予定はない。秋場所の番付発表は8月26日で、翌27日から秋場所に向けた稽古が本格化する。「押し相撲なので、相撲勘をどのくらい戻すことができるか」と師匠。秋場所は出場させる意向で、場所前に「関取衆と(相撲を)取れるか」を判断基準とする。

千賀ノ浦部屋の関取衆では、30日の滋賀・草津市で行われた夏巡業で、申し合い稽古中に右膝を負傷した十両隆の勝が31日から巡業を離脱した。この日中に帰京する見込み。夏巡業を初日から休場している前頭貴源治について、師匠は「まだ(足首の)痛みが引いていない」と状態を説明した。