大相撲秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)で大関復帰を目指す関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が、104日ぶりに立った国技館の本土俵でリベンジを果たし、右膝の回復を印象づけた。

31日、同所で行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見に参加。申し合い稽古で関脇御嶽海、前頭碧山らと計5番取って3勝した。夏場所では御嶽海に寄り切った際に右膝を負傷し、再出場した8日目には碧山に変化で敗れるなど因縁の2人。実力者を相手に患部の不安を感じさせない力強い突き、押しで圧倒した。「けがした相手と再出場した相手で、けがした日から1日も忘れなかった。けがの意識を払拭(ふっしょく)するというか、結局は自分との闘いではあるけど、手っ取り早くその相手とやりたかった」と説明。久々の国技館の本土俵に立ち「砂の感覚も初日前に経験できて良かった。純粋にわくわくというか、久々にできてうれしかった」と、感慨深く話した。

2日前の29日に都内の部屋で行った申し合い稽古の時と同じく、この日も両膝にテーピングを施したが「今までより少し緩めに巻いた。最終的になくなるのが一番いい」と貴景勝。申し合い稽古後のぶつかり稽古では横綱白鵬に胸を出してもらい、最後まで違和感なくやりきった。「(横綱の稽古は)すごくありがたいこと。一生懸命ぶつかっていこうと思った。横綱の胸は角界で1番の胸ということなので」と感謝した。

10勝を挙げれば大関に復帰する本場所まで、調整できる日も残り1週間。「ここまではやれるだけのことをやってきた。悔いなくやってダメだったらしょうがない。変に気負わず、1日1日を出し切りたい」と話した。