新入幕の東前頭17枚目霧馬山(23=陸奥)が、土俵際の大逆転による白星で幕内デビューを飾った。

十両だった先場所で敗れた、西前頭17枚目魁聖(33=友綱)との顔合わせ。もろ差しを許して土俵際まで追い詰められたが、首投げから右に回り込むと、魁聖は勢い余って土俵外へ。決まり手「引き落とし」で幕内1勝をもぎ取り「最後は(勝ったか)分からなかったけど、先場所負けていたので今日は負けたくなかった」と、支度部屋で満面の笑みを見せた。

十両を5場所で通過して幕内の土俵に立ち「お客さんがすごい。十両と全然違う。いつもより緊張した」と、会場の雰囲気に圧倒された。兄弟子の横綱鶴竜による土俵入りでは露払いを務めた。場所前は稽古後に、横綱とともに露払いを何度も練習したという。「ダメなところがあったらどうしようと思ったけど、今日は良かった」と、胸をなで下ろした。

取組後はNHKのインタビュールームで幕内初勝利の喜びを語った。モンゴル出身の23歳。初土俵から約5年で、まだ日本語はたどたどしく、付け人の兄弟子に「ちょっと何言ってるか分からないところもあった」と突っ込まれ、苦笑いを浮かべていた。