大相撲春場所(8日初日、エディオンアリーナ大阪)で大関とりに挑戦する関脇朝乃山(26=高砂)が初日前日の7日、大阪市内の部屋で最終調整を行った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、史上初の無観客開催となる今場所。この日は本来なら、三役以上の力士は恒例行事の土俵祭りに出席するが、感染予防のため欠席することになった。新小結だった昨年九州場所から2場所連続で出席していた朝乃山だが「ルーティンとかはない。いつもと変わりません」と、晴れやかな表情。異例の場所へ、気持ちを入れ替えた。

初日は相四つの東前頭2枚目隠岐の海(34=八角)との対戦が組まれた。白星スタートに向けて、この日は若い衆を相手に踏み込みを確認。右四つ、左上手の感覚を刻み込んだ。「しっかり踏み込んで当たれていた。この感覚を忘れないようにしたい」。相手は関脇経験者のベテラン。過去7勝1敗と合口はいいが「しっかり自分の相撲を取るだけ。余計なことは考えたくない。明日につながる相撲を取っていきたい」と、気を引き締めた。

史上初の無観客開催となる本場所を翌日に控えても「想像つかない」と、イメージはまだ膨らんでいないが、腹はくくった。「気持ちをいつも通り、お客さんがいるみたいに取る。集中力が大事になる」。より精神力が問われる15日間へ、準備は整った。