大関朝乃山(27=高砂)が、この日も押し込まれながら何とか逆転で勝って3勝目。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、期待すればこその苦言を呈した。

押し相撲の阿武咲(24=阿武松)に、立ち合いから一気に押し込まれ、両足が俵にかかるピンチ。上体をのけ反らせながら、あてがっていた阿武咲の左腕を突いて、最後は左足一本で体を回転させながら逆転の突き落とし、薄氷を踏む思いで何とか3勝目を挙げた。

今場所は相手に押し込まれる場面が多い朝乃山。八角理事長は「立ち合いの失敗。相手の出足を止めないといけない」と指摘。押し相撲の相手を「左から引っ張り込んで安易に止めようとしている。もっと苦労して、苦労して相撲を取らないと将来、伸びない。楽な勝ち方をしていると(成長が)止まってしまう」と続けた。引っ張り込む癖も「逆に、おっつけるような攻めの立ち合いがほしい」。今場所も5場所連続で横綱が不在。出場する力士の中で番付最上位の“大関トリオ”の一人に、期待すればこその言葉を投げかけていた。