幕内復帰を目指す人気力士の東十両4枚目炎鵬(26=宮城野)が、ファン待望の“人気小兵対決”に敗れ、悔しさをにじませた。

東十両7枚目宇良(28=木瀬)とプロで初顔合わせ。物言いがつく際どい一番となったが、行司軍配通り宇良が勝利した。宇良、炎鵬ともに6勝2敗となった。

リモート取材に応じる直前、炎鵬は開口一番「あーくそっ!」と感情をむき出しにした。「相手より低くいこうと思っていた。立ち合いから流れ、攻め方は良かったけど、最後ははたいて引いてしまったのが(自分の)弱さ」。

出足は炎鵬が鋭かった。176センチの宇良に対して、炎鵬は168センチ。低さを生かして頭から何度も当たっていった。互いに見合うような間が生まれると、すかさず懐に入ったが、引きが出てしまう。宇良の押しをしのぐことができず、一気に押し倒された。行司軍配は宇良。それでも土俵際がもつれたため、物言いがついた。「あの相撲を取ってもう一番はないと思った。完敗です」。炎鵬の心中通りだった。

注目の初対決だった。「(宇良が)幕内で相撲を取っていたのを見て、この世界に入った。(対戦は)楽しみしかない」。大学時代に1度だけ対戦があった。宇良が関学大3年、炎鵬が金沢学院大1年の時だったという。「その1回きりだったので、もう1回やりたいと思っていた。こうして実現できたことが自分自身うれしいこと」。取組前、炎鵬の足は震えていたという。「ちょっと足がくがくして、緊張してしまいました。宇良関にしか持っていない雰囲気がすごくあった。自分自身が浮き足だっていた。舞い上がっていた。負けはしたけど、楽しかったですね。正直、もっと相撲にならないと思っていた。思ったより、自分の相撲が通用する部分があったのでそこは収穫」と充実感をにじませた。

ファンが期待するのは2人の幕内での対戦。炎鵬も「もうひとつ上でやれたらなと思います」とうなずいた。

宇良-炎鵬、業師対決は物言いの末に/写真リプレー