6場所連続休場明けの横綱白鵬(36=宮城野)が、大関照ノ富士との全勝決戦を制して、昨年春場所以来45度目の優勝を果たした。全勝優勝は自身の歴代最多記録を更新する16度目。一人横綱の優勝は19度目で、並んでいた横綱朝青龍を抜いて戦後最多。6場所連続休場明け優勝は、横綱大鵬の5場所を抜いて最長ブランク優勝など、新たに記録を塗り替えた。

進退を懸けて臨んだ場所だった。昨年11月場所後に開催された横綱審議委員会(横審)の定例会で、ここ数年の休場の多さを指摘されて「引退勧告」に次ぐ重さの「注意」の決議が下された。しかし、場所前に新型コロナウイルスに感染して1月の初場所を全休。3月の春場所は出場するも、右膝を負傷して3日目から途中休場した。その際、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が「名古屋で最後を懸ける」と白鵬自らが進退について口にしたことを明かした。

そして、3月中旬に右膝を手術。春場所後に開催された横審の定例会では、同場所中に宮城野親方が報道陣に説明した発言を受けて、「注意」の決議を継続し、名古屋場所の結果次第では「引退勧告」を決議する可能性を示唆していた。5月の夏場所を全休し、そして迎えた運命の名古屋場所。結果、12年名古屋場所以来9年ぶりの全勝決戦を制し、復活を印象づける全勝優勝となった。