西幕下筆頭熱海富士(19=伊勢ケ浜)が、西十両13枚目千代嵐(30=九重)を破って勝ち越しに王手をかけた。

立ち合いから何度もまわしを取ろうと試みたが、千代嵐の突きに屈して土俵際に後退した。上半身がのけ反り、万事休すかと思われたが、必死の小手投げで逆転した。新十両昇進に望みをつなげる白星になり「やりたかった相撲内容とは違った。本当にギリギリだったけど、うれしい勝ちでした」と素直に喜んだ。

9日目の相撲で3連敗を喫し「メンタルはきつかった」。20年九州場所で初土俵を踏んで以来、初めての3連敗。精神的につらかったというが「師匠には『いろんなことを考えすぎて体が硬くなっている』と言われました。横綱には『ここまでやったんだから自分を信じるだけだ』と言って下さいました」と師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)や兄弟子の横綱照ノ富士の助言を受け、強い気持ちを持って土俵に上がっていた。