2場所ぶりの優勝を目指す横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、新小結の挑戦を退けて白星発進した。

同じモンゴル出身で、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏を叔父に持つ豊昇龍(22=立浪)に完勝した。立ち合い踏み込んで右を差すと、左上手を引きつけて盤石の形。難なく寄り切った。

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初場所後に新型コロナウイルスに感染したが「そんなことはもういいんじゃないですか」と、症状などの言及は避けた。場所前の11日に報道陣の電話取材に応じた伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「(感染による隔離期間で稽古を)10日間休んでるので、そこは厳しい」と調整遅れを懸念。「何とか場所中にでもしっかり稽古して、どこまで回復するか」という師匠の言葉を受けて、照ノ富士は「師匠の言う通り、これからちょっとずつやっていきたいなと思ってます」と話した。

春場所の大阪開催は20年以来で、2年前は十両で相撲を取っていた。「大阪の方々に、横綱になっている姿を見せられて良かったと思います」。

先場所は11勝4敗。1919年の栃木山以来103年ぶりとなる、新横綱から3場所連続優勝を逃した。2場所ぶりの賜杯に向けて「毎場所毎場所、自分の中で戦いですから。今場所も集中して頑張っていきたい」と意気込んだ。