平幕勢4人が立っていた優勝争いのトップは、2人が敗れ、西前頭4枚目の隆の勝(27=常盤山)と、同15枚目の一山本(28=放駒)がともに勝って8勝2敗とし、トップ並走となった。

遠藤に押し込まれるも、左のおっつけで差し手を外し、逆に反撃して押し出した隆の勝について、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「馬力がある力士だから、右を差してからでも生かせる。いいんじゃないですかね」と、三役経験も豊富な実力者を評価。さらに「押し相撲は勢いがつくと勝っていく。いい流れになるんじゃないか」と今後の見通しを話した。

琴勝峰にいなされ崩されながら、逆にいなしから相手を崩し、最後は左手一本で突き出した一山本も、押しが基本。同理事長は、同じように「動きが速くていい。自分の相撲を取りきっている。突っ張ったり、いなしたり自分の流れで相撲を取っています」と評価。隆の勝ともども「隆の勝にしても、離れて取る人は勝ち出すと体が動いて良い流れになる。流れを崩さないことだ」と、これまで通りの思い切りを貫くことを勧めた。