1年納めの大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)まで残り5日となった8日、新三役を目指す東前頭3枚目の宇良(30=木瀬)が、福岡市内の朝稽古後、報道陣の取材に応じた。

2日に福岡入りした宇良は、調整の最終段階に入ったこの日、幕下以下の若い衆を相手に、感触を確かめるように13番(12勝1敗)取って汗を流した

東京と比べ、やや温暖な気候に「過ごしやすいです」と話し、九州場所ならではの差し入れも「いつも(後援会関係の)社長が新鮮な魚を市場から買っていただいているので、本当に食事はいつも、おいしいものを食べさせてもらっています」と年に1度の福岡の地での食事も満喫しているようだ。

ゲンの良さも福岡にはある。昨年の九州場所は10勝を挙げ、初の三賞となる技能賞を獲得。休場した場所以外の九州場所は全て勝ち越している。その要因は「涼しくなって風が気持ちいいなと。寒い方がいいですからね」と気候面でマッチしていることにありそうだ。

膝のケガで序二段まで陥落後、復活ロードを歩み再入幕から1年半の9場所目。三役もうかがえる平幕の3枚目以内では勝ち越し3場所、負け越し2場所と一進一退が続く。その状況を「安定していない。たまたまです。全然(力も)上がっていない」と自己分析する。この1年は、土俵で戦う相手も同じ顔ぶれが多いが「自分はよく頑張っているな、自分の中では本当によくやっているなと思う」としつつ「周り(の評価)は厳しい。もっと頑張れと」とギャップを嘆きもする。

それでも、そろそろ三役をの期待は、周囲からかけられる声とともに、自分にもかける。「(周囲の期待の声も)ありますし、もちろん自分でも上を目指してやっている」と宇良。今場所の目標は「ケガなく15日間、取り切ることじゃないですか」と控えめながら、何か土俵に旋風を巻き起こしてくれそうな予感はたっぷりだ。