日本相撲協会は4日、大相撲の井筒親方(元関脇豊ノ島)が同日付で退職したと発表した。20年4月に現役引退後は部屋付き親方として時津風部屋で後進を指導していた。大相撲の人気拡大のため、YouTubeの「日本相撲協会公式チャンネル」にゲスト出演するなど、広告塔の役割も果たしていた。

都内で報道陣の取材に応じた井筒親方は今後、タレントに転身する意向を明かした。退職について「今年40歳になるので、思い切って決断しました」と説明。昨年11月の九州場所を終えた後に決断したといい、「日頃仲良くしている人たちにも報告しました。寂しいという声や相撲と離れないでくださいという声もありました。豊ノ島というものを育ててくれた大好きな相撲とはずっと付き合っていきたいです」と述べた。

今後への展望として「外から相撲界を応援していきたい。不安もあるけど、期待やわくわくが大きいです」と晴れ晴れとした表情を浮かべ、個人事務所「オフィス豊ノ島」を立ち上げてタレント活動をしていく考えを明かした。

また、アマチュア相撲の発展にも貢献していく意向も示し「地元でスポーツに関わるようなことをやっていきたい。相撲に限ると、やる子がなかなかいない。なので相撲に限らず、幅を広げて豊ノ島みたいなものを育てていきたい」と話した。

同日には自身のインスタグラムを更新し、「私、梶原大樹は本日付で、日本相撲協会を卒業させていただくことになりました。これからはタレント『豊ノ島』として活動させていただきます」などとファンに報告した。タレントとして今後のメディアやイベント出演、講演などの営業活動も忘れず、「ご依頼ありましたら、このインスタ(@toyonoshima_daiki)のDMか、toyosekiwake@gmail.comにご連絡ください」と呼びかけていた。

◆井筒大樹(いづつ・だいき)本名・梶原大樹。元関脇豊ノ島(とよのしま)。1983年(昭58)6月26日、高知県宿毛市生まれ。現役時代は168センチ、157キロ。宿毛高から02年初場所初土俵。04年夏場所で新十両、同年秋場所で新入幕、07年夏場所では新三役の小結に昇進。通算成績は703勝641敗68休。三賞は殊勲賞3回、敢闘賞3回、技能賞4回。金星4個。各段優勝は序ノ口1回、序二段1回、十両2回。