大関経験者で東前頭14枚目の朝乃山が、苦しみながらも13場所ぶりの幕内勝ち越しを決めた。

3年ぶり顔合わせの竜電に、立ち合いから右を差し、下手を引いた。

だが寄り切れず、左は巻き替えてもろ差しを狙った。慌てた相手に今度は狙いを左上手に切り替え、最後は体を預けて寄り倒し。「勝ち越しは通過点。この後が大事。ただ2年幕内から離れていたので、取組後の歓声がうれしかった」。こみ上げるものがあった。

新型コロナウイルスのガイドライン違反が発覚したのが、2年前の21年夏場所中だった。6場所の出場停止を経て、三段目で復帰してから6場所目で再入幕。2年分の成長を見せたい場所で、前日8日目に北青鵬に初黒星を喫した。立ち合い変化に後手に回り、ガッチリと引かれた相手の上手を切れなかった。だがこの日は「まわしを切ることができた」と、相手の下手を切る、修正力の高さで成長を見せた。「緊張感はあるけどノビノビと取れている」。心身ともに充実。再び先頭に立ち、4年ぶり2度目の優勝を目指していく。

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