大相撲名古屋場所(ドルフィンズ・アリーナ)が9日に初日を迎える。

見どころは多くあるが、一門別に見ると、時津風一門が実に熱い。霧馬山改め霧島(陸奥)は、新大関として土俵に上がる。3月の春場所で初優勝を果たし、5月の夏場所は11勝を挙げ、ワンチャンスで昇進をものにした。今や、一門の看板力士となった。

今場所は3関脇(豊昇龍、大栄翔、若元春)にいずれも大関昇進の可能性がある。時津風一門からは大栄翔(追手風)と若元春(荒汐)が挑戦する。三役として直近3場所33勝が昇進の目安とされ、大栄翔はあと11勝、若元春はあと12勝に迫っている。

31歳の錦木(伊勢ノ海)も時津風一門の力士。32歳にして、自己最高位の東前頭筆頭となった。勝ち越せば、新三役が見えてくる。西の筆頭は翔猿(追手風)。こちらも成績次第では自己最高位(小結)を超えることも可能だ。同2枚目には大関経験者の正代(時津風)が名を連ねる。名古屋場所の番付で前頭2枚目以上の12人中、半数の6人が時津風一門だ。

相撲界の一門は、出羽海、二所ノ関、伊勢ケ浜、高砂、時津風と5つある。時津風一門には、陸奥、伊勢ノ海、追手風、時津風、荒汐と5部屋が所属し、連合稽古、引退相撲などを含む冠婚葬祭など協力関係にある。時津風一門は比較的地味な存在だったが、土俵上では近年、グッと存在感を増してきた。

優勝争いは、夏場所を制した横綱照ノ富士が中心となりそうだが、新大関や大関昇進を狙う力士たちがどこまで食い込んでいけるか。前売り券の売れ行きは上々で、注目度は高まっている。