大相撲で「令和の怪物」の異名を取る西幕下5枚目の伯桜鵬(20=宮城野)が、初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)で3場所ぶりに復帰する可能性が高まった。27日、東京・両国国技館で行われた親方衆による年寄総会に出席後、師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)が、年明けにも相撲を取る稽古を再開できる見通しと語った。伯桜鵬は8月末に左肩を手術し、最近2場所を全休していたが、すでに四股などの基礎運動、ぶつかり稽古での胸出しを再開。宮城野親方は「医師は『良くなった』と言っている。(初場所は)間に合うでしょう」と語った。

伯桜鵬は幕下15枚目格付け出しから、いずれも昭和以降最速となる、所要1場所での新十両、同3場所での新入幕を果たした。新入幕だった7月の名古屋場所では、いきなり千秋楽まで優勝を争い、技能賞、敢闘賞と三賞を2つ受賞した。だが場所後の手術で長期離脱を余儀なくされたが、当時は自らの口で「焦っても仕方ない。しっかり治す。(番付が)どこまで落ちてもいいと思っている。幕内にいることが目標ではない。今は半年後の姿が見えている。今よりも強くなって帰ってくる」と語っていた。

宮城野親方は「相撲を取るのは年明け。いつごろからになるかは、まだ分からない。(ここまでの回復は)早かったという印象。新入幕で活躍したという期待と、無理をさせたくないという気持ちが半々。若いから番付を下げたくない気持ちもあると思うけど、本人と相談して決めたい」と、あくまでも治療優先で無理をさせない方針だという。それだけに、初場所の出場可否はギリギリまで見極めたい様子だった。