史上最多45度の優勝を誇る大横綱が、師匠失格の烙印(らくいん)を押された。東京・両国国技館で23日に行われた日本相撲協会臨時理事会で、元横綱白鵬の宮城野親方(38)が委員から年寄への2階級降格と3カ月の20%報酬減額とする処分を受けた。弟子の幕内北青鵬(22)による弟弟子2人に対する暴力行為を防げず、監督責任を果たせなかった。厳罰で立場が不透明な状況となり、部屋の消滅を懸念する協会関係者もいるなど今後の動向に注目が集まる。

   ◇   ◇   ◇   

険しい表情が苦境を物語った。宮城野親方は都内の部屋で弟子の北青鵬とともに姿を見せ、「弟子を守ることができなかった私の責任と受け止めております。そして相撲協会、大相撲ファン、応援してくれている方々に心配をかけたことを深く反省し、申し訳ない気持ちでいっぱいです。どうもすみませんでした」と謝罪。2人そろって計3回、深々と頭を下げた。涙を拭うしぐさもあった。

後輩力士への日常的な暴力行為が判明した北青鵬に対する監督責任が問われた。同協会の処分は7段階に分かれ、同親方が受けた降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。発表文書では「委員の職にとどまらせることは不適当」「師匠としての素養、自覚が大きく欠如している」など厳しい指摘が相次ぎ、親方衆の序列で最下位の年寄に降格。協会のコンプライアンス委員会では「相撲協会から排除すべき」という意見も上がった。

こうした事態で、3月の春場所は所属する伊勢ケ浜一門の別の親方が師匠代行を務め、4月以降は同一門が宮城野部屋を預かることになった。ただ、現状は誰が担うのかは未確定。不透明な状況に同情する親方もいる一方、現役時代に3度も協会の処分歴があり、引退後も再び大きな問題を起こしたことで「師匠を務めることはもう2度とできないのでは」の声も。宮城野親方が師匠を継続できずに部屋閉鎖の方向に進む認識を持っている親方さえいる。

同じ一門のある親方は「大阪入りしてから、できるだけ早い段階で意見をまとめたい」と危機感を強める。仮に部屋が消滅するような場合に対して、別の親方は「可能な限り希望する力士を受け入れたい」と話す。約2週間後に迫った春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)。まずは土俵に上がる力士たちが集中できる環境を整えることが急がれる。