大相撲の関取衆による力士会が1日、東京・両国国技館で行われた。日本相撲協会コンプライアンス委員会の青沼隆之委員長(元名古屋高検検事長)を招いて行われた、約30分間の講話が力士会の大部分を占めた。同協会の事務方責任者、宮田哲次主事によると「暴力根絶に向けて話をしていただいた」と、2月に表面化した旧宮城野部屋の元幕内北青鵬の暴力問題を受けて、今回の講話実施となったという。

宮田主事は「皆さん真剣に聞かれていた」と、関取衆それぞれが当事者意識を持って臨んでいたと説明した。青沼委員長の話は「暴力は、起こしたら力士生命に支障を来すので、絶対に暴力は起こさないようにしてほしい」といったことがメイン。暴力問題の加害者として相撲界を去った北青鵬を例に、暴力根絶を強く意識させる内容だったという。講話の最後には、質疑応答の時間も設けられ、横綱、大関陣から質問があった。

6月には、親方衆や幕下以下の力士らを含む、全ての相撲協会員を対象とした、暴力根絶に向けた研修が行われる予定であることも判明した。