大相撲の伊勢ケ浜親方(33=元横綱照ノ富士)が、6月に伊勢ケ浜部屋の新師匠となって、最初に出稽古にやってきた横綱豊昇龍を歓迎した。名古屋場所(13日初日、IGアリーナ)に向けて3日、名古屋市の部屋で稽古を始動していると豊昇龍が訪れた。豊昇龍は、部屋頭の東前頭4枚目伯桜鵬(21)、東前頭10枚目熱海富士(22)を相手に計15番で12勝3敗。稽古後に伊勢ケ浜親方は「(豊昇龍が3勝5敗と)苦手にしている熱海富士とやっていた。やっぱり苦手意識があるんだろうな」と、苦手を克服しようとする姿勢を評価。その上で「いつでも来ればいい」と、引き続きの出稽古を歓迎していた。
もともと伊勢ケ浜親方は、同じモンゴル出身の後輩横綱に対し「いつも同じところに出稽古している印象がある。うちに来い」と、イベントなどで話していた。それが実現された格好となり、うれしくないはずはなかった。
豊昇龍の状態については「まだ本調子じゃないんじゃない。これから仕上げていくでしょう」と、さらに状態が上向くと予想した。一方で稽古後、熱海富士に声を懸ける場面もあり「どうしても立ち合いが受け身になる。受け身になって相撲を取っているから、そこを直すように言っているんだけど」と、悪癖が直らないながらも、粘り強く繰り返し指導しているという。
豊昇龍は、この日朝に伊勢ケ浜部屋に来ることを決めたとあって、突然現れた形となった伯桜鵬は「ビックリした」と素直に話した。伊勢ケ浜部屋勢が出稽古に行くことも、出稽古に来られることもほとんどない。昨年4月に伯桜鵬が旧宮城野部屋から転籍してからも、この日の豊昇龍が「初めて」という出稽古に来た力士。「指名してもらって、うれしかった。横綱に買ってもらっている時に、いい相撲を取らないと。すぐに熱海富士関に交代しちゃったんで悔しい」と、さまざまな感情があったと振り返った。
実際に胸を合わせて「横綱は何でもできるので、すごいやりにくかった。巡業でも胸を出してもらって、場所でも時々、声を掛けていただいていたので、本場所で対戦した時に勝って恩返ししたい」と、初金星への意欲をのぞかせた。
熱海富士は「部屋まで来てくれて、うれしかった。本当は僕が行くべきなのに、わざわざ、うちの部屋まで来ていただいて、ありがたかった」と、感謝しきりだった。名古屋場所に向けては「あと2週間足らず、頑張ります。先場所(8勝)よりも勝ちたい」と、意気込んでいた。

