関脇霧島(29=音羽山)が、ハプニングを乗り越えて1敗を守った。突っ張り合いを制し、東前頭3枚目の阿武剋(25=阿武松)を押し出し。取組後、「今日、付け人が化粧まわしを忘れて、バタバタした。焦った」と明かした。

7日目まで幕内土俵入りで着けていた化粧まわしは、前夜のうちに部屋に戻した。別の化粧まわしを8日目から着けるはずが、手違いにより、支度部屋にない状態になった。

幕内土俵入りは午後3時40分だが、気づいたのは同20分ごろ。音羽山部屋の若者頭・福ノ里が部屋に電話し、急いで届けてもらった。幸い、音羽山部屋からIGアリーナは車で10分に距離にある。IGアリーナの関係者入り口で、付け人の白竜が化粧まわしを受け取り、通路を猛ダッシュ。西の支度部屋の上がり座敷も横切って、急いで着けた。

待っていた霧島は一時、同じ時津風一門の十両大青山の化粧まわしを着けて準備した。弓取り式を担当する力士が着ける日本相撲協会の化粧まわしを使う案もあったという。霧島は大青山の化粧まわしを取り外し、急いでチェンジ。土俵入り1分前に間に合った。

音羽山部屋の世話人・勇輝は「奇跡の15分間」と言って、胸をなで下ろしていた。

ミスが起きた原因ははっきりしていない。この日、新序出世披露で霧島の化粧まわしを借りた西村が、持ち帰らずに支度部屋に置いておくべきだったのか。それとも、付け人が部屋から新たな化粧まわしを持ってくるべきだったのか。IGアリーナで待ち受けていた付け人の光星竜は「帰ってミーティングです」と話していた。

霧島は「今日は時間が早かった。まだ(塩まきが)1回あるかと思った。あ、やばいと思って」と土俵上の制限時間にも追われていたことを明かした。常に時間に追われつつ、勝ったことが救いだった。【佐々木一郎】

全取組結果