両横綱が再び、優勝を懸けた一番に臨み、今度は豊昇龍(26=立浪)が勝った。1925年(大14)の第1回大会から100年、途中戦争やコロナ禍で中止を挟んで迎えた、第82回の全日本力士選士権が6日、東京・両国国技館で行われ、横綱豊昇龍が3年ぶり2度目の優勝を飾った。1回戦は草野、2回戦は王鵬、3回戦は若元春、準決勝は欧勝馬と、いずれも前頭の4人を寄り切って勝ち進んだ。決勝は9月の秋場所千秋楽、優勝決定戦で敗れた横綱大の里と再び顔を合わせた。立ち合いすぐに左上手を引き、上手投げで仕留めた。
本場所3度目の優勝を阻まれた相手に雪辱した格好となった。決勝の取組後は「3年ぶりか。2度目の優勝を果たしてうれしいです。この気持ちで次の九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)に向けて、頑張っていきたい」と話し、うなずいた。第1回大会優勝が、第27代横綱の栃木山。第74代横綱の自身よりも47代も前。その後、双葉山や大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花、朝青龍、白鵬ら、そうそうたる横綱が栄冠に輝いた歴史と伝統ある大会で、大の里の初優勝を阻んだ。
秋場所千秋楽と同じ顔合わせとあって「今(秋)場所のことを思い出しました」という。続けて「何度も対戦があると思いますので、お互い、しっかり燃えて、いい相撲を取ろうと思っている。その気持ちで、お互いに頑張っていきたいと思います。自分だけじゃなくて、大の里もそう思っていると思いますので、頑張らないといけない。その気持ちで、しっかりと稽古に臨んで、次の11月場所に向けて頑張っていきたい」と力強く話した。
秋場所千秋楽は、本割で大の里を破って13勝2敗で並んだ。その取組で右手の人さし指を脱臼したと、4日に明かしていた。この日も「巻いてるじゃん」と、テーピングで一緒にグルグルに巻いた人さし指と中指を見せた。痛みについても「あるよ」と語った。
ただ、取組後に取材に応じなかった千秋楽を振り返る質問には「もう終わったこと」と繰り返すと「負けた僕が悪かった」と話すにとどめた。
15~19日には34年ぶりにロンドン公演が行われるが「ロンドンのご飯はどうなの?」と、逆取材するなど、なごやかな雰囲気をつくる場面もあった。それでも最後は「しっかり稽古して、結果がついてくればいい。今回は結果がついてこなかった。稽古が足りなかったと思う。しっかり稽古して頑張っていきたい」と力説。すでに優勝したことを忘れたように、本場所での雪辱への思いを強めていた。【高田文太】

