福島市出身の若元春(32=荒汐)は、故郷が大きな被害に遭った15年前と同じ「3・11」に、白星を飾ることができなかった。小結熱海富士に見せ場なく一方的に押し出された。「しゃべることがないぐらいに負けたなという感じ」と、完敗を認めて肩を落とした。
東日本大震災から15年目の「3・11」だったが「特別な日という感じではない」と語った。その真意は、この日だけ頑張るのではなく、日ごろから一生懸命相撲取ることで、地元ファンの声援に応えようと努めてきたということ。裏を返せば、毎日、地元を思って取ってきた。
「あの日から、立ち上がってきたきた人たちのために、いい相撲を取れたらと思っていたけど、情けない相撲を取ってしまった。明日以降、自分らしい相撲を取りたい。切り替えて1日1日、しっかり出していきたい」。地元に勇気や元気を与えられるのは、この日だけではない-。変わらず地元を思って、白星を、そして誰かに活力を与える相撲を、取り続ける決意は変わらない。【高田文太】

