戦後すぐに「体育教員」の免許を2大学に文部省が認可した。国立大は東京教育大(現筑波大)、私大は日体大であった。が、現在、その免許を出せる大学は160を超す。

体育学部やスポーツ科学部をはじめ、学科やコースを設置する大学で組織する「全国体育スポーツ系大学協議会」がある。52の国公私大が加盟していて、会長は私自身である。政府公認の「トレーナー」制度がないので、私たちの協議会でも「トレーナー」資格も出している。経済産業省にも届け出ている。

私たちが文科省に届けず、経産省に提出したので、鈴木大地スポーツ庁長官は、首をかしげた。スポーツの「トレーナー」だから文科省だと思っていたらしい。スポーツジム、体操教室、水泳教室、学習塾、予備校等の管轄は経産省なのだ。トレーニングジムで仕事をする際、「トレーナー」の資格があった方がいい。

日本スポーツ協会は、「トレーナー」資格を出し、この資格がないと五輪や世界選手権日本代表チームのトレーナーになれない。あまりにも権威主義的でハードルが高いのだ。そこで私どもは、大衆的な「トレーナー」の養成に乗り出した。外国の大学では、単位を取得すれば「トレーナー」になれる仕組みが多い。

国家資格のない「トレーナー」は、学生間では人気が高い。アスリートを支えようとする学生が増加している。厳密にいえば、第三者の身体に触れるには資格が必要。医師、看護師をはじめ、柔道整復師、救急救命士、マッサージ師等で、「トレーナー」だけでは触れない。

米国の大学のトレーナー室では、ケガを防ぐためのテーピングが第1の仕事。次はコンディションのチェック。そしてチームに帯同する。日本では、各団体が「トレーナー」資格を出していて乱立気味。統一できないのだ。

文科省、スポーツ庁は、「トレーナー」の国家資格について検討すべきである。専門的な知識と技術をもつ指導者のもとで、スポーツを安心して楽しみたい。この願いと声に耳を傾けてほしい。