[ 2014年6月25日7時28分

 紙面から ]前半、ピッチで雄たけびを上げる本田(撮影・狩俣裕三)<W杯:日本1-4コロンビア>◇1次リーグC組◇24日◇クイアバ

 【クイアバ(ブラジル)24日】1次リーグ最終戦でコロンビアと対戦した日本は、一時同点に追い付くも1-4で大敗。1次リーグを1分け2敗の勝ち点1、最下位でブラジルを去ることになった。前半17分にコロンビアに先制を許すが、同ロスタイムにFW岡崎慎司(28=マインツ)のゴールで追い付く。だが後半から出てきたMFロドリゲス(22=モナコ)に翻弄(ほんろう)され4失点で敗退した。

 「奇跡」と表現される1次リーグ突破へ向け、ブラジルでの第3戦が幕を開けた。突破への最低条件は、目の前の敵に勝つこと。そして同時スタートのギリシャ-コートジボワールの結果を待つしかない。試合の前にFW本田は「残り1試合で全てがひっくり返る可能性だってゼロではない。信じているわけですよ。ミラクルはミラクルですから、信じているものにしか訪れないと思っています」。不完全燃焼だった2戦の思いを胸に、コロンビア戦へ臨んだ。

 コロンビアサポーターの大歓声に包まれ、日本は序盤から積極的な動きを見せた。1トップの大久保、2列目の右に入ったFW岡崎が次々と裏を狙って飛び出した。前半7分、本田が直接狙ったFKはコロンビアのカベに当たってGKがキャッチ。14分にはオーバーラップしたDF内田、15分にはMF長谷部がミドルシュートと前への姿勢を見せた。

 17分にMFクアドラードにPKを決められ、痛恨の失点を喫するが22分には本田が再びFK、25分には裏を狙った岡崎にロングパスが入る。そして26分には左サイドから香川が切れ込みシュート。相手陣内でのプレスからのショートカウンターという、日本のスタイルをようやく見せ始めた。前半ロスタイム、12本目のシュートが実を結ぶ。右からの本田のクロスをFW岡崎がダイビングヘッドで決め、同点に追い付きハーフタイムに入った。

 後半10分にマルティネスに決められ、再びリードを許しても勢いはそがれなかった。19分には本田の直接FK、21分には内田のクロスから大久保が合わせるなど立て続けにチャンスを迎える。24分には岡崎に代えて柿谷を投入。リスクを背負いながらも攻め続けた。攻め続けるしかなかった。カウンターからピンチを迎えても、点を取る以外に次への道はひらけない。32分にはサイドチェンジから、香川がつなぎ長友がシュートもGK正面。右にポジションを替えた本田が起点を作るが、決められないまま。後半37分にマルティネスに3点目、さらに45分にロドリゲスが追加点。ベンチの日本選手らは見つめるしかなかった。試合終了後、ザッケローニ監督はピッチに入り本田らと握手。労をねぎらった。

 ザッケローニ監督は「残念です。いい試合が出来たがもっと出来ることがあったと思うと残念。今日の試合は満足だが、ラッキーではなかった。本当の意味でサッカーが出来たと思う」と語った。世界との差をまざまざと見せつけられ、日本の挑戦は終わった。