SKE48佐藤すみれ(24)が19日、名古屋・SKE48劇場で卒業公演に出演した。

 AKB48で6年、SKE48で3年、合計9年間のアイドル生活を締めくくるステージは、オープニングから涙をこらえ切れず「1曲目(『重力シンパシー』)から泣きました」と明かした。

 佐藤は08年にAKB48の7期生として加入した。選抜総選挙は、9度の出場で7度ランクイン。10年には31位でアンダーガールズに選ばれた。14年に大組閣で加入したSKE48で、アイドル人生を締めくくれることがうれしかったようで、「『最後はSKEとして卒業した』と(ファンに)言ってもらえるようにしたい」と意気込んで臨んだ。

 アンコールでは、来年1月に卒業する高寺沙菜(18)とのダブルセンターで「12月のカンガルー」を披露した。AKB48時代の参加曲「自分らしさ」では、「若手育成係」のオレンジのたすきを肩からかけ、浅井や末永桜花(15)ら若手と歌唱した。

 小さなころからミュージカルに出演するなど、確かなダンス技術を持つ佐藤は、SKE48ではメンバーのダンスを指導する役割も買って出ていた。それでも、十代の若いメンバーにはメロメロで、若手に食事をおごることが多く、「ATMお姉さん」といじられていた。中でも最もかわいがっていた浅井裕華(14)とは、「眼差しサヨナラ」を歌った。江籠裕奈(17)小畑優奈(16)ら、別チームの若手メンバーもゲスト出演。江籠は「私は一番、かわいがってもらった自信がある。すみれさんの家に行ったことがある。そこで(服の)お下がりをもらいました」と、佐藤にかわいがってもらったエピソードを披露した。

 グループでの活動は年内いっぱいで終え、卒業を機に芸能界を引退する。芸能界の華やかさと、表裏一体の理不尽さを感じたが、ステージへの思いをつなぎ留めたのは、仲間たちとの出会いだった。「芸能界は、もちろん全部がきれいなところではない。でも、感じてきた、見てきた、育んできた人間同士、人同士の愛は、本当だなって思う」。最後の曲は「またどこかで会えると信じて…」と、再会を願う気持ちを明るく歌った「約束よ」。ボロ泣きする多くの後輩メンバーに寄り添われ、佐藤の目にも涙があふれた。

 歌い終えると、「これからもSKEの応援、よろしくお願いしますね。私が育てた後輩たちですよ!」とファンに呼びかけた。今後のメンバー育成係をファンに託すと、ホッとした笑顔を見せていた。