米ドラマ「glee/グリー」のシュースター先生役で知られるブロードウェーミュージカルのスター、マシュー・モリソンが、来年2月24日に初の来日ソロ公演「マシュー・モリソン in コンサート」(東京・Bunkamura オーチャードホール)を行うのを前に、ロサンゼルスでインタビューに応じました。今年3月に東京で行われた日本初のトニー賞公認ミュージカル・コンサート「トニー賞コンサート in TOKYO」に次ぐ2度目の来日となるモリソンに、日本の印象や初のソロ公演の抱負などを伺いました。

 今回の公演は、2回の公演でセットリストが変わるのが見所の一つ。両公演を通じて数々の賞を受賞したブロードウェーミュージカル「ヘアスプレー」や「ファインディング・ネバーランド」のメドレーや「glee/グリー」より「Sway」なども披露するといいます。

 「1日で2公演を行う今公演では、『アメリカンソングブックバージョン』と『ポップヒッツバージョン』という異なる2つのショーを行います。『アメリカンソング』では、世界的に誰もが知っている50年代、60年代のブロードウェースタンダードを中心に『It Don’t Mean a Thing(スウィングしなけりゃ意味がない)』などを披露。『ポップヒッツ』ではザ・ビートルズより『LET IT BE / HEY JUDE マッシュアップ』やエルトン・ジョンら有名アーティストのポップソングが中心になる予定です。私はソングダンサーなので、音楽とダンスで物語を伝える、歌って踊るショーにしたい。もしかしたら、日本語でも歌を披露するかも(笑)」

 ミュージカル「フットルース」でデビューし、「ヘアスプレー」のリンク役でブレイクしたモリソンは、ブロードウェーのスターとしてトニー賞にノミネートされた「ライト・イン・ザ・ピアッツア」など数多くのミュージカルに出演し、ドラマのみならず舞台でも活躍しています。

 「テレビや映画は映像を残すことができるけど、舞台は一期一会。やり直しがきかない分、同じショーでも二度と同じにはならない。その瞬間を観客と一緒に体感し、彼らの記憶の中に残すことができるのが魅力で、演じている時に観客の反応をダイレクトに肌で感じられる舞台の方が好きなんだ。でも、舞台は週に8公演もあり、体力的にもキツイので体を鍛えたりすることは大切。今は舞台を休んで、ドラマ「グレイズ・アナトミー」に出演したり、中国映画にも挑戦したりしているけど、来年にはまた舞台に復帰したいと思っている」

 今年3月に「トニー賞コンサート in TOKYO」に出演するために初来日した際は、2014年に結婚した女優レネー・プエンテを伴い、日本旅行を楽しんだと言います。

 「日本は大好きな国の一つだった。妻と一緒に東京から京都や大阪にも足を延ばしたんだ。着物姿で京都の街を散策したり、本当に楽しかった。今回は子供が生まれたばかりなので一緒には行けないけど、寿司は毎日でも食べられるくらい好きだから、とっても楽しみ」

 10月には待望の第1子が誕生。生活も自然と変わってきたと言います。

 「父親になって一番変わったことは、自己中心的でなくなったこと。今までは自分中心に仕事のことを考えてきたけど、今は何をするにも家族のことを考えるようになった。家族が誇りに思うような父親になりたいという良い意味のプレッシャーは感じている。子育てはまだ手探りだけど、今ではオムツ交換だってお手のものだよ」

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)